倉庫自動化の進め方:#2. 体系化して解説 – マテハン・物流ロボットの選び方

日付: 2025-10-21
カテゴリー: AFL, ASRS, PA-AMR, ブログ, プロダクト, 倉庫自動化の知識

目次

はじめに

自社に合った物流ロボットやマテハン設備をどう選べばいいのか?

前回の記事「倉庫自動化の進め方:#1. 推進経験者が語る自動化ロードマップの描き方」では、全体戦略の立て方やROI評価の方法をご紹介しました。今回は、その次のステップである「具体的な設備選定」に焦点を当て、現場と経営の両視点から意思決定に役立つ考え方を解説します。

近年、物流ロボットやマテハン(マテリアルハンドリング)設備の選択肢は大きく広がり、製品カテゴリの細分化や新興メーカーの登場によって、選定の難易度が格段に上がっています。それに加え、ユーザー側では選定経験が豊富な人材が少なく、事前に検証すべきポイントを十分に見極められなかったことで期待した効果が得られなかったというケースも残念ながら存在します。

本記事ではそうした背景を踏まえ、設備選定を失敗しないための考え方・進め方を体系的にまとめてお伝えすることを目的としています。マテハン機器選定に入る前に知っておくべきことや選定のステップ、事前検証などを丁寧に解説していきたいと思いますので、皆さまの現場に合う設備を見定める判断軸設定のヒントになれば幸いです。

物流ロボット・マテハン設備の選定が難しくなっている理由

物流ロボットやマテハン設備の選択肢は、ここ数年で飛躍的に増えています。AMR( Autonomous Mobile Robot/自律走行搬送ロボット)、GTP(Goods To Person/棚搬送ロボット)、ASRS( Automated Storage and Retrieval System/自動倉庫)だけでなく、垂直搬送機、ピッキング支援カート、ソーターなど用途特化型の設備もあり、組み合わせを含めるとその選択肢は無数に存在します。

加えて、国内外からの新規参入メーカーの増加により、同じカテゴリや似通った見た目の設備でも能力や特徴、サポート体制にばらつきが生じています。ユーザー企業としては、「どのカテゴリが自社に向いているのか」「その中でどのメーカーを選ぶべきか」を自ら判断する必要がありますが、社内に十分な経験や知識があるケースは稀です。

例えばよくある失敗例として、「GTPが良いと聞いて導入したが、自社の通路幅や棚配置に合わず結局手作業に戻った」「自動倉庫を導入したが、期待していた能力が発揮できず運用が回らなかった」などが挙げられます。

更に具体的な事例としては、ある企業が出荷仕分けの自動化のため高性能なスライドシューソーターを導入したものの、荷物サイズのばらつきが大きく、頻繁に詰まりや誤排出が発生。事前の検証不足と要件定義の甘さから、結果的に再び人手によるチェック工程を復活させざるを得なかったというケースがあります。このように、「機器自体の性能」だけで判断してしまうと、実際の業務とのミスマッチが起こりやすくなります。

また多くのWebメディアや、マテハンメーカー・販売会社など「売り手」側の資料では、自社製品を売るための説明が中心で、ユーザー目線で設備選定の軸を体系立てて説明している情報は残念ながら非常に少ないのが現状で、これが自社に合う設備選定を難しくしている大きな理由になってしまっています。そのため本記事では、弊社ラピュタロボティクスのロジスティクス・コンサルタントである柳が、Amazon、ユニクロ、そしてソフトバンクロボティクスでの経験を基に皆さまに自動化設備選定に関わる知見をご共有いたします。 

ラピュタロボティクス ロジスティクス・コンサルタント 柳 政孝

設備選定の前に知っておくべき「超」重要なポイント

自動化設備の選定を行う際に、見逃されがちな非常に重要なポイントがあります。これはROIにも関わることで、設備投資を自社の事業成長と直結させる上で見逃してはいけないポイントであり、本記事でお伝えすることの中で最も重要なポイントと言えるかも知れません。

それは単一プロセスでの「部分最適だけ」で考えずに「全体最適視点で自動化導入を設計する」ということです。ここは注意深くご理解いただきたいポイントなのですが、マテハン機器や物流ロボットは残念ながら単一プロセスを自動化するものばかりです。そのため導入時にはどうしても、そのプロセスだけに目が行ってしまい個別最適思考に偏った状態に陥ってしまいがちです。では、倉庫自動化における全体最適とは何だろう?と考えた時に、現場ベースでの結論は、最終プロセスである「出荷」から逆算して設計することに尽きます。なぜなら、個別最適で単一プロセスに数千万~数億規模の投資を行っても倉庫の出荷能力自体が変わらなければ、その拠点の収益力は全く向上しないからです。

だからこそ、最終工程である「出荷」から逆算し、現在そして将来求められる出荷方法と物量を安定的に処理できる状態を目指して設計する必要があるのです。例えば製造業では、最終工程に「製品を完成させること」という明確な目的があり、そこから逆算して全ての工程が最終工程に最適化される形で設計されるのが普通です。ところが物流、倉庫内作業になると途端に個別最適に陥ってしまう事例が本当に多いのです。 

倉庫自動化では最終プロセスとなる「出荷」から逆算した全体最適設計が重要

私自身、そうしたケースを実際に経験しています。今でこそ倉庫自動化の分野で最先端を走る企業と認められている企業でも、当時はまだ部分最適で単一プロセスだけを考えた自動化導入を行っていました。1つのプロセスの自動化が完了し、次の段階で別プロセスの自動化を行い、更にまた次のプロセス、ということを繰り返した結果、個別最適されたプロセスの集合体となってしまい、倉庫全体を俯瞰した際に投資額に見合う効率化が成されていないということが起こってしまうのです。

また、運用面では小さな子供のサッカーのように「ボールがある所にみんなが集まる」というリソース配分をしてしまっていましたが、これではどうしても効率が悪く、ミスも起こりやすくなってしまいます。これを全体最適視点から、人員配置をできるだけ固定化して定点で作業が行えるようにすることで効率化でき、ミス発生率も低下し、管理も非常にしやすくなりました。現場によっては人員配置を固定化するほど作業量がないケースもあると思いますが、時間帯ごとに区切る等すればある程度の固定化ができる場合も多くあり、作業者の方も頭を切り替えて作業に臨めます。

個別最適は、やればやるほど複雑化してしまう傾向があり、汎用性が損なわれることも珍しくありません。そのため、まずは全体最適目線で「どんな出荷方法でどれだけの物量を出荷できる能力を目標にするのか」を設定し、そこから逆算する形で各プロセスを設計しないとプロセス間の連携や管理の面でどうしても非効率が生じてしまいます。本来の目的は「出荷」にあり、ROIもそれに関連した評価指標が本来は必要です。個別最適が悪いわけではなく、あくまで全体最適の中に個別最適がある、という図式にするのが良いと思います。

本来あるべき姿という意味で補足するなら、2026年4月1日より特定荷主の義務が発効する改正物流効率化法でも定められる通り、出荷先は第二種荷主(着荷主)として定義されるため、出荷先がお客様である場合はお客様側からの出荷指示も「物流効率化への取り組み」に叶うものである必要があります。特定荷主でない企業にも物流効率化への取り組みの努力義務は課せられており、今回の改正物効法で特定荷主にならない場合も今後の更なる改正で特定荷主の裾野が広がる可能性もゼロではありません。

何が言いたいかというと、出荷先からの要望を一方的に受けるだけでなく、出荷先(お客様)の物流そのものを全体最適で俯瞰した際に交渉すべき点も少なからずあるはずです。これは法改正という点も重要ですが、シンプルにその方が物流コスト最適化や人員問題でのメリットもあるはずで、まさに物流統括管理者(CLO)に期待されている主な役割の1つです。そのため可能であれば、倉庫の最終プロセスの「出荷」を定義する際には出荷先との物流最適化の交渉も行えるのが理想と言えるでしょう。

自動化対象プロセスの決め方とROI

自社で複数保有する倉庫がある中で、自動化に着手する際はやはり「自動化するリターンが大きい現場」が拠点ベースでは優先されることになります。更にその現場の中で、入荷・検品、保管場所への搬送、保管・管理、ピッキング、仕分け、梱包、出荷…等のプロセス毎に要素分解を行い、ここでも「自動化するリターンが大きいプロセス」を明らかにして具体的な自動化箇所を決定するのがセオリーです。プロセス単位での優先順位付けには、一般的には以下のような要素を考慮します。

  • そのプロセスでの必要人員数(人時)が多く、作業の品質も属人的である
  • その投資を行うことで現場全体の収益力(出荷能力上限)が引き上げられる
  • 自動化に耐えられるよう部分的にでも作業内容を単純化できる

経験上、最優先で自動化を行うプロセスは結論として以下のようになる傾向があります。パーセンテージは体感での数字ですが、参考にしていただければと思います。

最優先で自動化設備が導入されるプロセス例:

  • ピッキング:50~55%程度
  • 梱包:20%程度
  • 仕分け:15%程度

こうした手順でどの拠点のどのプロセスから自動化すべきかを決定することができますが、どんなことでも「いきなり本丸に攻め込む」ような投資が難しいケースもあります。2024年問題以降、増加傾向にある複数拠点の集約等で重要拠点となる倉庫を新設する場合は、最初から自動化を前提として倉庫やオペレーションを設計しますが、対象が既存拠点で、尚且つ状況が許せば「スモールスタートで効果検証を行いたい」と考えるのが人間です。

つまり、このような場合は設備選定を行う際の要件に「スモールスタートで効果が実証できてから規模を拡大できるもの」を含めることができます。導入する設備によってスモールスタート後の効果検証期間や投資規模は異なりますが、導入時の要件定義の段階で設備メーカーや販売会社とすり合わせを行った上で設定することができます。私たちラピュタロボティクスでも、こうしたフェーズ分けを行った段階的導入のご相談には随時ご対応しています。

そしてもう1つ、ROIについてです。例えば、自動化による効果は単なる人件費削減だけではありません。人的ミスの削減、作業平準化、業務の属人性解消、さらには作業ログの蓄積とその活用による継続的な改善など、定性的なメリットも無視できません。本記事のシリーズ第1弾でも触れた通り、ROIの「R」にあたる導入効果は、単なる省人化だけでなく自社の事業成長に繋がる項目を評価項目として網羅し、評価すべきです。より解像度を高くして言えば、倉庫全体の出荷能力上限の引き上げや外部要因(人手不足の悪化、インフルエンザ等伝染病の流行など)に左右されず安定稼働できる基盤構築の進捗を評価する定性的な指標も、定量的な指標同様に重要なのです。 

定性的な導入効果は可視化・評価しにくいが、定量効果を生む土台を作る非常に重要な効果

実際に、ASKUL LOGIST様に委託されているネスレ日本様でのラピュタPA-AMRの事例では、ピッキングアシストロボットのラピュタPA-AMR導入の結果、ピッキングの必要人員数を半減させながら生産性を2倍化できたという定量的な導入効果だけでなく、ラピュタPA-AMRの方から作業者に画面表示によって作業指示が出される標準機能により、誰でも同じスピードと品質で作業ができるようになりました。定性的な導入効果として後日伺ったお話では、インフルエンザが大流行した2024年の冬は現場作業者にも欠勤が発生したものの出荷の遅れは1件も出さずに安定稼働ができたというお話や、自動化に抵抗があるケースが多い現場作業者の方も、今ではPA-AMRを非常に頼りにしてもらっており「これがないと困るという状態になっている」という声が現場の方からも上がっているそうです。定性的な効果は数値化が難しいものの、業務の安定性や中長期のコスト構造、そして事業成長にとって非常に重要なものということがイメージいただけると思います。

こうした定性効果は、単一拠点での成果にとどまらず、他拠点への横展開にもつながる重要な資産となります。導入した設備から得られるデータを活用し、改善サイクルを回せるかどうかが、長期的な自動化の成功を分ける要因になるのです。

結論として、ROIはまず、評価項目を自社の事業成長を軸として、それに必要な項目を定量的なもの、定性的なものを共にリストアップし、中でもキーとなる重要指標に抜け漏れがない範囲で絞り込みます。そこに評価を開始するまでの期間の設定と、何を指標として評価するのかという評価方法を定め、設備投資を行う価値=自社の成長というポイントを大切にしながら決定します。そして前回の記事にもある通り、ROI評価の内容は投資判断を行う経営層を含め、社内の関係者全員で共有されている状態を作っておきましょう。

物流ロボット・マテハンの選び方:5つのステップで進める判断プロセス

自動化すべきプロセスが明確になったら、次は「どの設備カテゴリが自社に合うのか」を判断するステップです。この判断は、感覚や営業資料に頼るのではなく、以下のようなロジカルなプロセスで進めることが重要です。

  1. 対象プロセスの要件整理
  2. 自動化の目的を明文化
  3. 該当しうる設備カテゴリを幅広くピックアップ
  4. 評価軸を用いて横比較
  5. 提案から最終候補を絞り込み、実機デモや事例で見極める

※代表的な設備カテゴリや特徴は前回記事で紹介 → 物流ロボット・マテハンの種類一覧はこちら

選定のステップが何となくイメージできたところで、上記の5ステップごとの具体的なアクションを、①何をするのか、②注意点、③関わるべき部門や役割という視点で、以下に詳しく解説していきます。

ステップ1:対象プロセスの要件整理

  • 何をするのか
    • 本記事内で解説の通り、まずは最終プロセスとなる「出荷」でどんな方法・どれだけの物量を処理するのかを設定。そこから逆算して各プロセスで必要な処理能力や前後工程との連携に関する要件をざっくりと決めていきます。
    • 自動化対象となるプロセスの具体的な作業内容、作業時間、1日の処理件数、現在の人員構成などを可視化します。
    • 工数が大きく割かれている部分、波動の影響を受けている部分、エラーや属人性が強い作業を洗い出します。
  • 注意すべきポイント
    • データからでは現場の実態が把握できないケースが多いため、必ず現場ヒアリングや作業観察を伴う定量把握を行うこと。
    • 定常業務だけでなく、繁忙期や例外処理の発生状況も考慮すること。
  • 関わるべき部門・役割
    • 本社側:CLO、SCM・物流部門長、DX推進または物流改善担当部門
    • 現場側:倉庫現場長、現場作業者、業務改善担当

ステップ2:必要な導入効果を明文化

  • 何をするのか
    • 自動化によって「達成すべきこと」を明確にします。
    • 必要人員数の削減、倉庫面積(平米)あたり/人員1人あたりの売上向上等。
    • 生産性向上、業務標準化、ミス防止、スポットワーカーの即戦力化、保管能力向上等。
  • 注意すべきポイント
    • 目的は定量目標と定性目標を区別し、重要度の優先順位を付ける。定量・定性の各トップ3くらいを必須の導入効果として設定し、それ以下のものと重要度を区別しておく。
    • 導入効果の定義で現場の課題感と経営層の目的意識にギャップがないかを確認。
  • 関わるべき部門・役割
    • 本社側:CLO、経営企画、SCM・物流部門長、DX推進または物流改善担当部門
    • 現場側:倉庫現場長、現場作業者、業務改善担当

ステップ3:該当しうる設備のカテゴリ候補をピックアップ

  • 何をするのか
    • 明確にした目的と要件に照らして、該当し得る物流ロボット・マテハン設備のカテゴリ(例:PA-AMR、自動倉庫、ソーターなど)を洗い出します。
    • この段階では特定のメーカーや製品に絞らず、用途と機能ベースで可能性のあるカテゴリレベルでピックアップしていきます。
  • 注意すべきポイント
    • リサーチした情報がWebサイト運営会社の販売製品に偏っていないか等、情報の中立性を確認(可能であれば中立的な専門家や第三者の解説も活用)。
    • このプロセスにはこの設備、といった先入観を捨て、近年登場した新しいソリューションの情報も仕入れておけるよう意識する。
  • 関わるべき部門・役割
    • 本社側:SCM・物流部門長、DX推進または物流改善担当部門
    • 現場側:倉庫現場長、業務改善担当

ステップ4:評価軸を用いて横比較

  • 何をするのか
    • 複数の評価軸(例:導入コスト、導入付帯コスト、導入期間、柔軟性、拡張性、保守、現場運用との親和性など)に基づき、各設備候補を横比較します。
    • 上記に沿って候補となるメーカー/製品を3~5つ程度まで絞り込みます。
    • RFPを作成してメーカーや販売会社からの提案を募る場合は、この段階まで自社の要件を明確化した上で提案を求めます。過去にRFPを作成したことがない場合や現場の運用や要件の詳細が把握し切れない本社主導での導入等の場合は現場で説明会を開催する等で代替することもできます。
  • 注意すべきポイント
    • スペックの数字だけで比較するのではなく、自社の運用環境での使い勝手や業務フローとの整合性も評価対象に含める。
    • 類似した製品同士を比較する場合は、優劣という目で見るのではなく現場運用や自社要件との相性を把握する意識で各製品の得手不得手を理解するよう努める。
    • できれば評価にバイアスが入らないよう、複数部門でのクロスレビューを行う。
  • 関わるべき部門・役割
    • 各関係部門(現場、管理、IT、経営)の代表者からなる選定委員会

ステップ5:提案から最終候補を絞り込み、実機デモや事例で見極める

  • 何をするのか
    • 提案に対する評価で絞り込んだ最終候補2~3つについて、実際の商品を使用した実機デモでの検証や過去の導入・活用事例などを通じて「本当に自社で使えるのか」を確認します。
    • 同業他社の導入事例、トラブル事例なども確認し、期待値とのギャップを検証します。
    • 可能であれば実際の導入企業の現場見学なども行い、導入企業の生の声を聴くことをおすすめします。
    • 以上を経て、最終候補から1社に絞り込みを行います。必要に応じてPoC(有償の場合が殆どです)の実施有無を検討し、導入効果を得るための確実性を評価して上申書類にレポートを添付し、ROIの評価方法等も含めて最終的な意思決定を仰ぎます。
  • 注意すべきポイント
    • 実際の商品・通路幅・棚配置など、実環境に近い条件下でテストを行うこと。
    • できれば現場を知るメンバーにも参加してもらい、フィードバックを得ることで導入後のスムーズな定着につなげます。
    • PoCを実施する場合は、導入効果を得るための確実性に着目し、その検証を行うためには何をテストすべきかをメーカーや販売会社と丁寧に協議しましょう。
  • 関わるべき部門・役割
    • 各関係部門(現場、管理、IT、経営)の代表者からなる選定委員会
    • できれば現場作業者や現場運用に精通した社員

導入効果の「カタログ値」を実機検証で確実に

 どんなにカタログスペックが良くても、実際の倉庫環境で機器が本来の性能を発揮するとは限りません。そのため、設備の最終判断には必ず上のステップ5にあるように「可能な限り現場と同条件」で、「導入効果を得るための確実性」の検証を慎重に行うことをおすすめします。倉庫のレイアウトや棚の配置、取扱SKU数、周辺環境の騒音・照明条件(検討中設備のセンサ種別によっては重要)など、細かな違いが実運用の成否を分けます。

特にPoC(Proof of Concept)を行えば、実際の現場で設備の動作確認ができるだけでなく、経営層など意思決定者に同席いただくことで社内の理解促進にもつながります。PoC実施の有無に関わらず、導入効果を得るための確実性を検証するには何を確認すべきかを明確にすることが非常に重要ですが、これにはメーカーや販売会社の協力も必要です。

そしてその検証には、検討中のマテハンや物流ロボット側だけでなく、自社の運用を自動化に合わせて調整することが必要となる場合も往々にしてある、という点は理解していただきたいポイントです。自動化設備もあくまで「ツール」であり、ユーザーの使い方によって大なり小なりパフォーマンスが左右されてしまいます。そのため、自社が求める導入効果が得られやすい使い方はどういうものか、既存の運用の調整も視野に入れてメーカーや販売会社とオープンに話し合いを重ねることが、導入効果を得る上でのキーポイントです。

日本出版販売様の現場「N-PORT新座」のラピュタASRS
日本出版販売様に導入された自在型自動倉庫「ラピュタASRS」

実際に、私たちラピュタロボティクスの自在型自動倉庫「ラピュタASRS」を導入いただいた日本出版販売様の事例では、まだ営業開始直後で実稼働現場が無かったこともあり、何度も弊社オフィス内のデモスペースで実機検証を行い、ご提案した生産性が得られるかを確認いただきました。以下よりご視聴いただける導入企業様の声をお届けしたウェビナー(下記にて録画版)でも、その導入経緯について触れられています。

まとめ:正しい選定が倉庫自動化の成否を決める

倉庫自動化は、現場にマテハンや物流ロボットを導入する「目に見える」部分に意識が行ってしまいがちですが、DX(デジタル化)の一環である以上は自社の組織マターです。目指すべきは自社の事業成長であり、今後予想される人手不足の更なる悪化など外部環境の変化の中でもそれを継続できる基盤構築こそが、自動化の目的だからです。

本記事で触れた通り、マテハンや物流ロボットなど自動化設備の選定は「何を選定基準にしてどの製品を選ぶか」という点も重要ではあるのですが、それ以前に自社内で倉庫の最終プロセスである「出荷」に関する出荷方法・物量の定義、そしてその最終プロセスを最適化するという全体最適視点から逆算した各プロセスの要件定義が分水嶺となるキーポイントです。それを行って初めて、自動化設備の選定基準や選定条件が「何をどこまで実現できれば良いのか」という明確なものになるからです。

私たちラピュタロボティクスでは、商品の「保管・管理」から「ピッキング」、そして運用要件に合わせて「仕分け」「荷合わせ」「順立て」までがその中で自動化できる自在型自動倉庫「ラピュタASRS」、そして「ピッキング」プロセスに特化して歩行を劇的に削減することで生産性を2倍化するピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」をご提供しています。また、パレット搬送のソリューションとして自動フォークリフト「ラピュタAFL」もラインナップしています。

倉庫自動化設備の選定でお困りの方は、是非一度私たちラピュタロボティクスまでご相談ください。また、実機デモのリクエストも随時承っていますので、ご興味のある方は以下のボタンよりご連絡ください。外部環境が激しく変わり続ける時代においても、お客様に商品をお届けできる基盤づくりを、ラピュタロボティクスはサポートさせていただきます。

お問合せや実機に触れる機会となるイベント情報はこちらから

最近の記事

ラピュタロボティクスは、株式会社手原産業倉庫(本社:滋賀県野洲市、代表取締役社長:今井あかり)の大阪市内に位置する大正センターにおいて設置面積3,000㎡(テニスコート11面分を超える広さ)を超える超大規模の自在型自動倉庫「ラピュタASRS」の採用が決定したことをお知らせいたします。
...
read me
ラピュタロボティクスは、シスメックスRA株式会社(長野県塩尻市、代表取締役社長 尾黒 昌彦)の新工場(長野県塩尻市)へピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR (Autonomous Mobile Robot) 」を納入し、稼働を開始いたしました。
...
read me
ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」を導入されている国分北海道株式会社の札幌ロジスティクスセンター様の記事がITmedia MONOistに掲載されました
...
read me
ラピュタロボティクスは、来たる2026年2月5日(木)16時より、物流業界の補助金・制度活用支援会社である株式会社エングンとの共催で「2025年、採択されたものは何が違った?補助金採択基準の『傾向と対策』」と題した補助金に関する解説ウェビナーを開催します。
...
read me