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ラピュタPA-AMRがピッキングの生産性を2倍化できるのはなぜ?国内シェアNo.1のひみつを大解剖

日付: 2025-08-25
カテゴリー: PA-AMR, ブログ, プロダクト
ピッキングの生産性を2倍化するラピュタPA-AMR

なぜピッキングの生産性が2倍化する?なぜシェアNo.1?

ラピュタロボティクスのピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」は、デロイトトーマツミック研究所の市場調査により2022年度版の調査を皮切りに、23年度版、24年度版と3年連続で国内のピッキングアシストロボット市場でシェアNo.1を獲得しています。では、なぜラピュタPA-AMRが3年連続でシェアNo.1、それも市場シェアの6割を超える支持を得られているのでしょうか?そして、なぜ「人に付いて行かない、人が付いても行かないPA-AMR」であるラピュタPA-AMRを運用することでピッキングの生産性がそれほど向上するのでしょうか?本記事では、ラピュタPA-AMRのひみつを解説していきます。

シェアNo.1の理由その1:導入のしやすさ

ラピュタPA-AMRは、現場レイアウトを変更せず導入でき、WMS未導入でも運用が可能で、月額料金でのサブスクで導入が行える。

「なぜ3年連続でシェアNo.1なのか?」という問いに対する最もシンプルな回答。Making Robots More Accessible(ロボットをもっと身近に)というスローガンを掲げる私たちは、導入がしやすい製品づくりを心掛けてきました。どんなに良い製品であっても導入障壁が高ければ、多くのお客様にとっては絵に描いた餅も同然の存在になってしまいます。また、倉庫自動化で最初に着手されるのは自動化による影響が最も大きなプロセスで、それはピッキング、仕分け、梱包のうち、いずれかになることが最も多いのです。そのため可能な限り導入障壁を低く設定することは非常に重要で、ラピュタPA-AMRでは主に上図の3つの点をご紹介しています。

現場そのままで導入:

ラピュタPA-AMRは、原則的にカートがすれ違えるだけの通路幅さえあれば、導入にあたって現場のレイアウトを変更する必要がありません。また、床にガイドとなる磁気テープを設置したり反射板(リフレクター)の設置も不要であるため、床工事も不要です。殆どの場合、導入時に現場の稼働を停止いただく必要はありません。お客様毎の要件にお応えする中で、必ずしも上記の通りにはいかないケースもありますが、それでも一般的なAGVやAMRと比較して、かなり幅広い現場要件に対応することが可能です。

例えば、一般的なAGVやAMRは走行中に人や障害物が現れると安全設計上、停止をします。ラピュタPA-AMRも当然そうした安全設計はカバーされていますが、ラピュタPA-AMRの独自性の1つは「ただ止まるだけ」ではなく、周囲の環境を3D LiDARセンサで確認し、可能な場合は人や障害物を迂回して稼働を続行する小回りが利く点です。現場では人の動線とPA-AMRの動線が交差しますが、その度に停止したままだと生産性が低下してしまいます。ラピュタPA-AMRは「一旦停止」「安全確認」「人や障害物の迂回」「稼働の続行」という一連の動作で対応することで、人間同士の動きが交差した場合と同じ動作を取ることで稼働率を高水準で維持。地味な機能ではありますが、これが現場でどれほど重要かは皆さまも簡単にイメージいただけるでしょう。

WMS未導入でも:

従来、倉庫自動化はWMS(Warehouse Management System/倉庫管理システム)の導入がはじめの第一歩と位置付けられてきました。業種や分野を問わず、デジタル化の本命は、データ収集とその活用による継続的なPDCAサイクルの運用、更に言えばそれを行う「企業文化」の醸成・定着にあります。その意味ではWMS導入を倉庫自動化のはじめの一歩と位置付けるのは正しいと言える反面、導入コストや「どのデータをどんな切り口で分析し、どう継続的な改善に活用するのか」というノウハウを蓄積するには一定の時間が必要です。

ラピュタPA-AMRはWMS未導入の現場でも、ラピュタロボティクスのクラウドプラットフォーム「Rapyuta.io」にオーダーをCSV形式でアップロードすることでWMS未導入の現場でも運用することができます。それだけでなく、ラピュタPA-AMRではRapyuta.io上でデータの蓄積・可視化が行え、継続的な現場改善のスタートラインとしていただくことも可能です。例えば、PA-AMRが走行したルートや引き当てられたロケーションを可視化することができるため、ABC分析とこのデータを照合し、より効率的にピッキングが行えるよう商品ロケを継続的に最適化していく糸口として、非常に有用なデータとなります。

サブスク利用も:

ラピュタPA-AMRは、月額料金でのサブスク利用にも対応しています。システムインテグレーションやソフトウェアの面で初期費用は必要ですが、これにより導入時のイニシャルコストを大幅に抑えることができます。また、初期費用については経産省のものづくり補助金などの補助金活用も可能で、補助金とサブスクを組み合わせていただくことで、ROIを大幅に有利にしていただくことが可能です。ROI(投資対効果)については、こちらの記事でも解説している通り、省人化効果などの定量的な効果だけでなく、デジタル化によるデータ活用での継続的な現場改善など定性的な効果もスコープに入れ、貴社の事業成長に必要な導入効果を抜け漏れなくフェアに評価し、またそれを組織全体で事前合意しておくことが重要です。

シェアNo.1の理由その2:多彩なニーズに応える機能群

当然ながら、導入のしやすさだけで皆さまの支持を得ることはできません。ラピュタPA-AMRは、いわゆる3PLや卸売業、小売業といった流通業のお客様に幅広く導入いただいた実績から、多彩なご要望にお応えして機能開発を行ってきました。ここでは代表的な機能例をご紹介します。

効率化×標準化:

ラピュタPA-AMRがお客様より評価いただける理由の一つとして、現在の人手不足の世相にマッチした業務標準化機能を備えている、という点が挙げられます。どんな現場にも、抜きん出て作業が正確かつ速い方はいらっしゃいますが、その方が常時出勤されているわけではなく、また永続的にその現場で勤務されるとは限らないからです。

最近では多くの現場でその日しか出勤されない、いわゆる「スポットワーカー」と呼ばれる方を起用されていますが、スポットワーカーの方に業務をお任せするのはベースとなるスキルセットのばらつきが大きく、継続的に勤務されるわけではないため日々「出勤初日」となる方を相手に正社員やベテラン作業者の方の時間を割いてトレーニングを行わなければならない等、苦労されることも多くあります。そこでラピュタロボティクスでは、ラピュタPA-AMRにも、自在型自動倉庫「ラピュタASRS」にも、製品開発の根本思想として「誰が作業しても同じ効率、同じ精度」を実現する様々な機能を実装しています。

ピッカーガイドシステム(PGS)

ラピュタPA-AMRの業務標準化機能は、一言で表現すれば「人が考えて判断する」プロセスを「PA-AMRが人に指示を出す」プロセスに置き換える機能となります。そのため、作業者の習熟度に依存することなく誰が作業しても同じ成果・精度を実現するのですが、実際には現場でピッキング業務に携わる方々は「誤ピックをしないように」「少しでも早く終わらせるように」と精神的なプレッシャーとも戦いながら生産性を維持しています。ラピュタPA-AMRは、視覚的に誰もが瞬間的に理解できる画面(UI)設計を行い、作業者の方々は画面の業務指示の通りに作業を行うだけで高い生産性とミス防止が実現できるため、こうしたプレッシャーからも解放され、より広い視野を持って業務に当たることが可能となります。

以下の動画は、実際に棚前でピッキングを行う際に表示される画面です。ラピュタPA-AMRでは、上下二段の荷台があり、最大で4つのトートにピッキングが行えますが、棚からどのSKUを何個ピックするかという指示だけでなく、PA-AMR上のどのトート(またはオリコン)に投入するのかも視覚的に指示しています。以下画面の例では、上段に50Lオリコンが、下段に10Lのトートが左右に1つずつ計2つ載せられています。ここでは、下段の左側、Bのトートにピックした商品を投入するよう指示が出ています。

1回のピッキングが終わったら、ラピュタPA-AMRはまた画面で作業者に指示を出すのですが、ここからが「人に付いて行かない、人が付いてもいかないAMR」の動作となります。

まず、PA-AMRはピック完了後に画面で作業者に「次はここに行ってください」とロケ番号で指示を出します。

移動先のロケは現在地の近傍となり、そこでは別のPA-AMRがピック商品ロケで作業者の到着を待っています。次に、移動先を指示したPA-AMRは作業者を向かわせたロケとは異なるロケに向かい、別の作業者がこのPA-AMRにピック商品を投入することとなります。つまり、従来の手作業でのピッキングのようにピッキングリストに沿って保管エリアを一筆書きで周回する動きはPA-AMRが行い、作業者はゾーンディフェンスのように区画を担当し、区画内に来たPA-AMRに商品を「渡すだけ」という動きになるのです。

ラピュタPA-AMRの稼働イメージ

従来の手作業でのピッキングの動きとはかなり違っているため、感覚的にご理解いただきにくい点ではあるのですが、ラピュタPA-AMRは他のラピュタロボティクス製品同様にAIによる群制御で現場作業を効率化します。そのため単体のPA-AMRが最適ルートを割り出して人をナビゲートするという考え方ではありません。

前提として、下図では作業者が2名写っていますが、薄い赤色のエリアと薄いグレーのエリアで作業者は担当エリアを分けているイメージです。また、先述の通りPA-AMRは従来の手作業でのピッキングを行う際の人の動きと同様にピッキングリスト(オーダー)に沿って最適ルートで保管エリアを周回します。その前提を念頭に以下の稼働イメージ図をご覧ください。

上図の左上、D-1のロケで商品をピックしてPA-AMRに投入した作業者は、PA-AMRに「次はE-2のロケに行ってください」と指示を受けています。その後、作業者は指示通りE-2に移動しますが、PA-AMRは作業者にE-2へ移動するよう指示を出しつつ、自身はB-5に移動しようとしています。

上図右下の作業者は、ピックを終えてPA-AMRの指示通りB-3に移動している最中ですが、指示のあったB-3では別のPA-AMRが作業者の到着を待っています。作業者にB-3に行くよう指示したPA-AMRは、自身はE-5に向かっています。

このように、従来の手作業でのピッキングでは商品ロケまで「取りに行く」動きになりますが、ラピュタPA-AMR導入現場では商品ロケに来たPA-AMRに「渡すだけ」という動きに変わります。「指示に従って移動」し、商品を「渡すだけ」という受け身の作業になることで、作業者自身の近傍ロケで短時間のうちにいくつものPA-AMRに商品を渡すことができ、「歩く」「探す」「確かめる」動きが劇的に短縮され、最大でピッキングの生産性が2倍化される、という仕組みです。以下では弊社のデモスペースで、実際に手作業でのピッキングとラピュタPA-AMRのピッキングの両方を行い、その所要時間を比較しています。実際の現場よりも狭くPA-AMRの台数も少ないデモスペースでこれ程の差が出ることをご確認ください。

生産性向上機能

上記のピッキング生産性を2倍化する基本機能に加え、ラピュタPA-AMRでは標準機能の中で更にプラスアルファの生産性向上機能を備えています。お客様の現場要件がマッチすれば、という条件はあるものの、通路幅や棚における間口の広さ等により、以下のような制御をPA-AMRにソフトウェア上で付与することで、その現場により一層最適化した動きを実現します。

この他にも、ラピュタPA-AMRには誤ピック防止機能など効率化×標準化を実現する細やかな機能がまだまだ実装されています。これから本格的に倉庫自動化に取り組まれるお客様は、その導入のしやすさと多彩な機能群で国内で最も選ばれているラピュタPA-AMRを是非ご検討ください。また、既に自動化を推進されているお客様でも、ピッキングのプロセスがボトルネックになっている場合は、例えばGTPなどの導入と比較しても低コストで開始でき、尚且つ導入後の台数増などの柔軟性も備えたラピュタPA-AMRは良い選択肢となります。

ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」は、実機デモやお客様現場への出張デモなどを随時承っていますので、ご興味のある方はぜひ一度、実機に触れる体験をされてみてはいかがでしょうか?

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