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ラピュタASRSの「自在型自動倉庫」とは?

日付: 2024-09-04
カテゴリー: ブログ, プロダクト
Rapyuta ASRS the most flexible, scalable, relocatable ASRS

あらゆる状況、変化に対応

独自のブロック構造で自由な形にレイアウトが可能なラピュタASRSは、自在型自動倉庫として従来の自動倉庫では応えることができなかった複雑な形状、防火区画をまたいでの設置など幅広いシチュエーションに対応でき、さらに数年後の近い将来ですら見通せない変化が激しい現在において、あらゆる変化にも対応できるという特徴が、様々な業種の多くのお客様より関心をいただいています。

本記事では、その自在型自動倉庫とは具体的にどういうことなのか、そしてそれによってお客様にどのような利点があるのかをご紹介して参ります。

1. 形状が自在

上の動画からもわかる通り、ラピュタASRSは独自のブロック構造によりブロック単位でどんな形状にも自由自在にフィットします。柱型、梁型をかわして設置ができるだけでなく1Fと中2階などフロアをまたいでの設置、さらには防火区画をまたいでの設置が可能です。

これによるお客様側でのメリットは、何と言っても既存現場の内部形状が歪なものであったとしても、高さ方向の空間も含めてフルに活用できる点がまず挙げられます。ASRS(Automated Storage and Retrieval System/自動倉庫システム)は空間をこれまで以上に有効活用し、倉庫容積に対する保管効率を向上できる点が最大の利点の一つですが、ラピュタASRSはきれいな直方体構造で自動倉庫を構築するシステムではなく現場形状にフィットさせることができるため、「自動倉庫内で高い保管効率」を発揮するのではなく「倉庫/工場空間全体の中で高い保管効率」を発揮できます。また、株式会社ホビーリンク・ジャパン様での実際の事例が示す通り、1Fと2Fに設置し、隣接する吹き抜けスペースにも設置してそれら3区画分を防火区画をまたいで連結し、1台の自動倉庫として稼働させることも可能です。

株式会社ホビーリンク・ジャパン様(栃木県佐野市)レイアウト

従って、複数区画にまたがって設置して入出庫時に区画を超えて保管や搬送を行いたい場合や、現場に動かせない既設設備がある場合でも、ラピュタASRSは自在にその形状をカスタムし、あらゆる現場にフィットさせることで倉庫空間全体での保管効率向上、長い搬送距離を要する取り回しが行えます。

消防検査合格済みの防火シャッター対応仕様のフロアパネル。

形状の自由度によるお客様の利点:

  • 自動倉庫内ではなく、現場空間全体の中での保管効率向上
  • 防火区画をまたいでの設置で、より広範な自動化が可能
  • 区画をまたいだ設置で、より大規模な倉庫自動化が可能。
  • 中2階(メザニン)の設置などで歪な形状になっている現場でも設置が可能 など

2. 用途が自在

ラピュタASRSは、上述の形状の自由度やAIによるロボット群制御といった特徴により、倉庫以外の用途でもご活用がいただけます。物流業、ECを含めた卸売業や小売業での倉庫用途としては、DC型の倉庫用途だけでなく一時保管と出荷先ごとの仕分けを行う中継拠点(TC)型の倉庫として、製造業ではメーカー倉庫やアフターマーケット向けのリペアパーツセンターは勿論、生産ラインへの部品払い出し、そしてピッキングステーションをアセンブリ作業ステーションとして使用するような保管・管理・組立作業を一元化するソリューションとしてもご活用いただけます。

ラピュタASRS 生産ライン 部品払い出し アセンブリ イメージ
ラピュタASRSの生産ラインへの部品払い出しイメージ

上記のような代表的な用途だけでなく、ラピュタASRSではその特徴を活かして他にも様々な用途での活用相談を承っております。勿論どのような用途にも対応可能というわけではないものの、自社開発を行う国内メーカーならではの利点として、お客様のアイデアを実現すべくラピュタロボティクスのスペシャリストがお客様のご相談を伺います。お気軽にお問合せください。

用途の自由度によるお客様の利点:

  • DC型倉庫だけでなくTC型倉庫としての活用にも対応
  • 製造業におけるメーカー倉庫、リペアパーツセンターでの活用にも対応
  • メーカー様における生産ラインでの部品またはアセンブリ払い出しでの活用にも対応
  • 形状の自由度により、コンベヤ以外のライン自動化の選択肢ができる など

3. 規模の自由度

ラピュタASRSは、下の図のように段階的に設置を行うことで既存現場の稼働を止めることなく導入いただくことが可能です。そしてこの利点は導入後の規模拡大においても適用可能です。

ラピュタASRS 段階的導入 イメージ
ラピュタASRSは段階的設置により既存現場の稼働を止めずに導入可能。

導入後に設置規模を拡大できるスケーラビリティを利点とする自動倉庫は数多くありますが、ラピュタASRSは導入時から一貫して現場の稼働を止めずに導入いただくことで、稼働停止によるロスを発生させることがないため、事実上のROI(投資対効果)にもこの点は有利に働きます。

また、現場の稼働を止めずに段階的な導入を行う場合は、すべてのフェーズが完了するまでの期間は比較的長期に及ぶものの、お客様側では不慣れな自動倉庫の運用をスモールスタートで開始することができ、管理者側も現場側も、そしてシステムやソフトウェアの面でも手ごろな規模感でスタートできるという利点もあります。

規模の自由度によるお客様の利点:

  • 最初の導入時も規模拡大時も現場の稼働を止めることなく導入/拡張が可能
  • 稼働停止のロスだけでなく外部や他拠点での穴埋め稼働も不要なため、ROIでも有利に
  • 段階的な導入により、徐々にラピュタASRSの運用に慣れながら現場にも管理者にもフィット

4. 移設が自在

製品や導入規模にもよりますが、自動倉庫は大抵の場合、大掛かりな工事を要する固定設備です。躯体の設置工事だけでなくアンカー工事や三相200V電源を使用するためキュービクル設置工事が必要となる場合も多く、導入時のイニシャルコストの金額面だけでなく、経営層の方にとっては固定設備に数億円規模の投資を行うことに対して「中長期的なリスク」という懸念もあるでしょう。

ラピュタASRSのアンカーレス構造は、免震構造も実現。

対照的にラピュタASRSは、設置時にアンカー工事が不要なアンカーレス構造となっているため、固定設備ではなく据え置き型の自動倉庫となっています。このアンカーレス構造はラピュタASRSの躯体の免震構造化にも寄与する重要な要素となっており、上の動画にある通り国内の第三者機関で耐震試験も行っています。こちらの評価試験では、阪神淡路大震災(縦揺れ)と東日本大震災(横揺れ)時の地震を再現した加震を行い、躯体の損傷や保管物の飛び出し等が発生せずに試験を終えることができています。(注:本評価試験は必ずしも大規模な地震に耐えるものを保証するものではありません)

アンカーレスで据え置き型、そして家庭用コンセント同様の単相100V電源のみで運用いただけるということは、従来の固定設備として導入する自動倉庫とは違い、移設に対応できるということでもあります。現在は、たった2~3年先の未来ですらどのような変化が起こっているか予測がつかない時代です。企業としても、投資を行う際にはこれまで以上にリスクを考慮する時代になっていると言えます。物流においては配送ルートの最適化やトラック1台あたりの走行距離短縮などの貨物輸送の最適化の一環で、拠点を移したり新設する企業も増えています。製造業においても外部環境の変化で製造品目の変更や多品種少量対応など、あらゆる変化が目まぐるしく起きています。そんな時代だからこそ、ラピュタASRSは外部環境の変化に伴って他拠点への移設が必要になった時、あるいは製造品目の変更で生産ラインの組み換えが必要になった時も、柔軟に、そして最小限の時間とコストで対応することが可能です。ROI(投資対効果)とはまた違った側面でのお客様の利点として、移設が可能であるという特徴は、ラピュタASRSを導入いただいたお客様の中長期的なリスクを低減することにつながります。

移設の自由度によるお客様の利点:

  • 固定設備となる従来の自動倉庫と違い、他拠点への移設が可能
  • 生産ラインへの払い出し用途においても、ラインの組み換えに対応可能
  • 単相100V電源のみで運用可能なため、導入/移設時の電気工事を不要または最小限に
  • 上記により、ラピュタASRSへの設備投資による中長期的なリスクを最小限に抑えることが可能

形状、用途、規模、そして移設までが可能→中長期のリスクにも配慮した設備投資に

これまで見てきたように、ラピュタASRSは現場の内部形状にフィットするように、あるいはフロアや防火区画をまたいで自由自在にレイアウトが可能で、一般的な物流倉庫だけでなく、中継拠点としてのTC型倉庫にも、そしてメーカー様の工場における生産ラインへの部品やアセンブリの払い出しをはじめ、倉庫以外にも幅広い用途でご活用いただけ、小さく始めて後に規模を拡大することも可能です。また、一般的なASRS(自動倉庫)が固定設備であるのに対して、ラピュタASRSはアンカー工事を行わない「据え置き型」の自動倉庫であるため、外部環境の変化に対応すべく他拠点への移設にも対応が可能で、その際にも最小限の時間とコストでそれを実現することができます。

今日ではVUCAの時代と言われるように、ほんの数年後にどのような変化が起こり、世の中がどう変わっているのか誰にも予測ができない時代となっており、特に設備投資を行う際にはリスク評価が非常に難しくなっています。私たちラピュタロボティクスでは、ラピュタASRSをはじめ製品のご提案時にはROI(投資対効果)を試算してご提示しているものの、ROIとはまた別の観点で、このような中長期的なリスクに配慮ができる自動倉庫となっている点は、ラピュタASRS独自の強みです。

そして、自動化を通した「効率化」だけでなく、誰が作業しても同じ品質、スピード、正確さという業務「標準化」を実現できる多重ミス防止機能を備えたピッキングステーションもラピュタASRSは、単なる倉庫自動化ソリューションではなく、今後もサステナブルに人とロボットが上手く協業し、人にやさしい職場環境を構築する上でも、幅広い業種のお客様にお役立ていただけるソリューションです。


製品紹介ウェビナー(録画版)

本ウェビナーでは、ラピュタロボティクスの自在型自動倉庫「ラピュタASRS」の主要機能、それによるお客様現場のメリット、そして2024年9月時点での採用事例について30分でご紹介いたします。


Meet Our Expert

ラピュタロボティクスでは、自動倉庫やそれに準じる倉庫自動化ソリューションの導入にあたって、無料個別相談を承っております。数多くの方式が存在する自動倉庫の客観的な特徴や現場ごとの向き不向きによる選定支援など、自動倉庫導入や倉庫自動化ソリューション選定の際にはお気軽にご相談ください。

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