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最終更新日:2022/3/15 協働ロボット導入の成否は事前シミュレーションで7割決まる! 実際の物流現場へ協働型ピッキングアシストロボット( AMR )などの協働ロボットを導入するのにあたって、実務面ではさまざまなステップがあります。 その最初のステップにして、最も重要視するべきプロセスが “ 事前シミュレーション ” だと言われています。 その理由は、大きく3点です。★ロボットの活用方法を事前に検証できる★費用対効果を確認でき、投資額を算出できる★現場とAMRが融合した動きを確認できる AMR導入シミュレーションを回し、AMRの導入前後でどのような変化が起きるかを数値化し、現場の実情と比較することで、「導入決定のための情報」を高精度で知ることができるのです。 今回は、倉庫のロボット化や物流の効率化を進めるうえで、成功のカギを握る、シミュレーションの重要性について、解説します。 1.シミュレーションで把握したい重要な情報 多くのロボティクスソリューションでは事前にシミュレーションするのが大事なポイントと言われています。多くの台数を活用することとなるAMRの場合、実機を使って現場でいきなり実験をするのは現実的ではありません。そのため、シミュレーションが非常に大事な機会となるわけです。さらに人とロボットが協働作業を行うような物流ロボットの導入では、条件の設定が変わると、パフォーマンスや投資対効果が大きく変わっていきます。したがって、シミュレーションにもより高い精度が求められます。 例えば、あなたが物流倉庫の導入担当者だとして、いくつかの候補を検討する中、導入前に知りたい重要な情報はなんでしょうか。 まずは【実際の現場作業や導線のイメージ】 それによって導き出される【最適な導入台数=初期投資額】 その結果算出できる【ROI(費用対効果)の検証】【コスト削減量】 長期的には【投資回収までのシナリオ】 といったところでしょうか。これらはいずれも、投資判断を仰ぐ上層部への答申や説得にも必要な情報です。これらは、特に導入初期段階の社内調整をスムーズに進めるためにも重要な要素でもあります。 2.実際のシミュレーションはどのように使う? では、実際に国産AMRを使ったロボティクスソリューションを提供する、ラピュタロボティクスの事例で、シミュレーションの重要性を解説していきましょう。 お話を伺ったのは、同社で物流倉庫へのAMRソリューションのリードを務める小堀貴之さんです。 「当社でのシミュレーションは、ご提案の初期段階で実施しています。シミュレーターは、実際にロボットで動いているものと同じソフトウェア(クラウドロボティクス・フォーム『rapyuta.io』及びAMR関連の制御ソフトウェア)を使います。ここに、お客様からいただいた倉庫のマップや棚の番地情報、さらには作業者のプロファイルなどのデータを入力することで、本番と同じ動きをシミュレーターで高い精度で再現することができます。 これによって、まずロボットがどうやって動くのかを明確にイメージできます。ロボットがどのように棚間を動くか、どうやって動かせるかの制御の仕組みから、どういうオーダーをどうさばいていくか、具体的な動きが確認できるのです。 さらに、いくつか入力条件を変えてシミュレーションすることで、適正な導入台数が算出できます。ロボット台数と作業人数の組み合わせによる作業生産性の比較はもちろん、現行プロセスの諸条件を変更した場合の影響が確認できます。例えば、各バッチごとの受信時間や締め時間を変えてみる、在庫配置を変えてみる、ピッキング方式を変えてみる…など、細かな条件を変えることで、生産性へのインパクトがどの程度変わるかについても検証できます。つまり、単に人をロボットに置き換えた場合の検証のみならず、「どうすればより高い生産性が出せる環境になるか?」という、将来的な拡張の可能性も含めた、長いスパンでの投資対効果の検証を行うことができるのです。」(小堀さん) AMR導入で狙いたいポイントはもちろん、省力化、省人化です。基本的にどれくらいの生産性が出てきて、どのくらいのコストが削減でき、どのくらいの月数で投資回収ができるか、という情報が得られるのは非常に大きなポイントです。 「AMRのシミュレーションは、たとえば作業者の人数や、マテハン類の設定などのパラメータ次第では結果がさまざまに変化します。そのため、いくつかのシナリオで検証をかけて、数パターンをお客様に提示し、アドバイスしています。 また、よりよいパターンを求めるのに、初期入力する“作業者のプロファイル情報”が特に大きなカギを握ります。倉庫によって歩行スピードが違ったり、棚から取ったりする点数も、通販向けと量販向けのピッキングでは異なります。これらの情報をいただいて、シミュレーションを回すときのパラメータとして設定することで、結果の精度がより高くなっていくんです」(小堀さん) 3.事前に物流倉庫で用意しておくものは? 精度の高い結果を求めるために、倉庫側からも事前に下記のような情報を提出するそうです。 1.倉庫のマップ2.ピッキング棚の番地情報3.出庫指示データ4.作業者のプロファイル情報(歩行速度、1件当たりのピッキング時間など) 1~3はある程度固定されたデータのため、小堀さんが言っていたように、作業者のプロファイル情報が変数として結果に影響を与えることが多くなりそうです。シミュレーションを回すときもこのパラメータをいくつかのパターン設定することで、結果を比較検討することもできます。 【導入にあたってご用意いただきたい項目(データ関連)】  シミュレーションの実施に当たってご提供いただきたい情報 倉庫フロアマップ・CADデータ(無ければExcel、PDFなど)。棚間幅などができるだけ正確なもの。 ピッキング棚の番地情報・どの棚の何段目が、どのような棚幅、棚番号になっているか分かるもの。 出荷指示データ・オーダーID(例:作業指示番号等)・バッチID(グループID)・ピッキング開始時間・ピッキング終了時間・棚番号・商品コード・数量 作業者様の基本情報・平均歩行速度・1行あたり平均ピッキング時間(棚前に到着してから、その場所を立ち去る迄の平均時間) 4.実際のシミュレーション動画を確認! では、実際にシミュレーションで動いている動画をみてみましょう。 白い点が作業者(ピッカー)、青い点がAMRです。マップは実際の倉庫のマップとロケ情報を再現しています。これをある日時の出荷情報をもとに動かしていきます。 作業者の動くスピードや、AMRのスピードなどは、パラメータを変えればいくつものパターンを実行できるので、より現実に近い、高精度なシミュレーションになります。 「逆に、ロボットが狭い棚間の場所ですれ違って渋滞を起こす、ということも再現されます。極端な例ですが、たとえばこの狭い倉庫のなかで100台のAMRをいれて、10人の作業者をいれて…と設定すれば、ロボット同士が渋滞を起こしてまったく効率が上がりません。通常のシミュレーションでは、10台と3人、10台と5人、20台と12人…などいくつものパターンを試してみます。そうすると、台数を入れて生産キャパが多くなっても、生産量自体がどこかで頭打ちになるラインが見えてくるんです。こうすることで導入するAMRの適正台数をはじき出せるのです」(小堀さん) 「また、台数を固定して、通路幅を少し広げたり、在庫配置を見直したりするとどうなるか…など、現状のインフラを微調整すると改善できるポイントもご提案できます」(小堀さん) 5.導入後の課題発見と改善でも活躍! シミュレーションは導入後にも大いに活躍するそうです。例えばパフォーマンスが想定よりも上がらない場合、シミュレーションと現場の状況を比較することで、問題の発見と解決に役立ちます。 【シミュレーションによる導入検討の拡張】…
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2021年3月4日報道関係各位 ロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」を提供するRapyuta Robotics株式会社(東京都江東区、代表取締役 CEO: Gajan Mohanarajah、以下「ラピュタロボティクス」)は、2021年3月3日に開設された、鴻池運輸株式会社(大阪市中央区、代表取締役兼社長執行役員:鴻池 忠彦、以下「鴻池運輸」)が運営する最新自動化機器の開発・導入実験や、国内外のスタートアップ技術の実証実験など、物流現場における技術イノベーションを加速させるオープンイノベーション拠点「鴻池技術研究所イノベーションセンター」(東京都品川区八潮 3-3-22 東京レールゲート WEST 6 階、以下「技研 IC」)において、ラピュタロボティクスの協働型ピッキングアシストロボット(AMR)を導入したことをご報告致します。 技研ICにおいては、主に日用雑貨向けの出荷シナリオを想定し、約150平米のピッキングエリアに対して4台のAMRを導入したオペレーションを行います。ピッキングエリアでの作業負荷軽減に貢献するAMRの巡回方法や倉庫内のレイアウトなどを確認し、従来の紙で印刷されたピッキングリストによる人手でのピッキングに対して、人とAMRが協働する相乗効果による生産性の改善度を評価・検証することで、鴻池運輸が運営する営業倉庫への導入を予定しています。 鴻池運輸様からのコメント 弊社は、搬送ロボットと作業者の効率的な連携方法に関する豊富な知見と、物流倉庫内における自律搬送ロボットを統制するための群制御における優れた技術を有するラピュタロボティクス様が、人と技術のハイブリッド化による高い生産性と安全・快適な職場の構築を目指す弊社にとって、力強いパートナーとなることを期待しています。 鴻池運輸株式会社について KONOIKE グループは、物流の枠を超え、製造、医療、空港業務などを通じ、社会課題の解決と革新に挑戦し続ける、プロフェッショナルサービス集団です。 新技術導入によるデジタルトランスフォーメーション(DX)など技術革新の取り組みを進めていますが、技研 IC 開設を機に、自動化・省力化の取り組みを加速させ、業務の効率化、労働環境の改善を推進することで、さらなる「現場力」の強化に努めてまいります。 Rapyuta Robotics株式会社について Rapyuta Robotics株式会社は、アインシュタインを始め数々の著名研究者を輩出しているチューリッヒ工科大学(ETH Zürich)からスピンオフした大学発ベンチャーです。「ロボットを便利で身近に」をビジョンに掲げ、世界でも最先端の制御技術及び人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「 rapyuta.io」の開発を行っています。rapyuta.ioを活用することで、多種多様な複数ロボットの中央管理・中央制御が、直感的かつ容易にできます。また、rapyuta.ioにより、システム構成要素を一から作り上げる必要は無くなり、ユーザーが得意とする技術分野の開発に集中できます。 日本に本社を置き、主に大手事業会社様にロボットを活用した自動化ソリューションの提供を行っています。…
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2021年3月2日報道関係各位 ロボティクスプラットフォームを提供する、Rapyuta Robotics株式会社(東京都江東区、 代表取締役 CEO:Gajan Mohanarajah)は、UPSサプライチェーン ソリューション・ ジャパン 株式会社(東京都港区、代表取締役 CEO:Wai Kit Anita Li、以下「UPS」)との物流倉庫向け協働型ピッキングアシストロボット(AMR)の導入に向けた覚書の締結をしたことをご報告致します。 【これまでの経緯と今後】 ラピュタロボティクスが提供するAMRは、自社開発のロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」により開発・制御された柔軟性と拡張性を備えた製品です。2020年7月に物流倉庫向けに日本で初めて商用化して以降、複数の物流事業者様にご利用頂いています。UPS様はかねてより、柔軟性を備えた効率的な倉庫オペレーションの仕組みを構築すべく検討を進めていたとのことですが、ラピュタロボティクスが持つ技術力、ビジョン、及びAMRの機能がそれに適合する可能性が高く、2021年度のAMRの導入に向けた検討を本格的に開始する運びとなりました。既に、第一歩として、ラピュタロボティクスが提供するシミュレーターに、導入候補先の出荷情報、商品情報、レイアウト図等を入力し、AMRを導入する際の動線や期待生産性を分析する作業を開始しております。今後両者は、日本初の新しい事例を構築すべく、緊密に連携を進めて参ります。 【AMRのシミュレーターについて】 ベルトコンベヤー等の一定の動きを固定環境で行う従来のマテハン機器と比較して、AMRは、走行ルートの自由度が高く、動きのパターンが多くなり生産性予測の難易度が高い傾向にあります。ラピュタロボティクスのシミュレーターは、実際のAMRに搭載されているものと同じソフトウェアを活用し人の動きも含めて現場を再現することで、稼働するロボットの台数と協働するスタッフの人数に応じた期待生産性の試算や、想定されるオーダーに対して出荷期限までにピッキング作業を完了出来るかを詳細に検証することが可能です。また、特定の要素を変えてシナリオ分析を行うことで、レイアウト(棚の配置や通路幅等)や棚割りの変更を行うとどの程度の生産性が改善するかを検証したり、作業のボトルネックがどこに存在するのか、を調査することが可能です。 UPSサプライチェーン ソリューション・ ジャパン 株式会社 コントラクトロジスティクス プログラムマネージャー 久保様からのコメント: 「UPSがグローバルで掲げる “革新志向(Innovation Driven)”を確実に体現(最新技術導入)できるパートナーがラピュタロボティクス社であり、技術力、経験値、また柔軟性のある対応力がより先進的、革新的な技術導入を強力にサポートしてくださるとの考えから今回の覚書結託に至りました。人の力、人の経験を完全自動化し得る事はないと考えられており、ロボットと人との連携は必要不可欠であると言われてはきましたが、未曽有の2020年を経験したなかで見えてきた新しいキーワードが“非接触”があり、このキーワードを軸に世の流れは多岐に渡って自動化をより求めるものと感じております。これからは私共に出来うる“Less接触”を検討しつつ、ラピュタロボティクス社と共にニューノーマルな未来を見据え、業務の効率化とその先にある顧客の安全と満足を目指し参りたいと考えております。」 【協働型ピッキングロボット(AMR)の概要】 物流倉庫向けロボティクスソリューションは、その大半が大規模な導入工事や環境構築を必要としますが、AMRは既存の棚、人を活かした形で導入が可能です。また、ロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」との連携により棚のレイアウト変更や扱う商材の変化に対する柔軟性と、需要の増大に対する拡張性が提供されることも物流事業者様にメリットとなります。 UPSサプライチェーン ソリューション・ ジャパン株式会社について 1907年設立のUPSは、世界最大の小口貨物輸送会社であり、輸送およびロジスティクスサービスをグローバルに展開しています。220を超える国と地域、国内40か所に構築されたロジスティクスネットワークを活用し、国際輸送・保管・検査・加工・梱包・返品処理・緊急配送を含む国内配送といった、様々な物流形態が最適化されたサプライチェーンをご提案いたします。 Rapyuta Robotics株式会社について Rapyuta Robotics株式会社は、アインシュタインを始め数々の著名研究者を輩出しているチューリッヒ工科大学(ETH Zürich)からスピンオフした大学発ベンチャーです。「ロボットを便利で身近に」をビジョンに掲げ、世界でも最先端の制御技術及び人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「 rapyuta.io」の開発を行っています。rapyuta.ioを活用することで、多種多様な複数ロボットの中央管理・中央制御が、直感的かつ容易にできます。また、rapyuta.ioにより、システム構成要素を一から作り上げる必要は無くなり、ユーザーが得意とする技術分野の開発に集中できます。日本に本社を置き、主に大手事業会社様にロボットを活用した自動化ソリューションの提供を行っています。…
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