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物流ロボット、協働ロボットを導入しようとする際は、投資について長期的な計画を考えねばなりません。 ところが、投資のタイミングや、どの技術がスタンダードになるか… など、詳細で正確な未来予測は不可能であるがゆえ、アクションを起こすまでにどうしても検討の時間がかかってしまいます。 しかし、物流の自動化という流れが、もはや止めることのできない「必然の流れ」だとしたら、いま長考するのは効率と費用のロスに繋がります。 そんな中、物流を取り巻く環境とビジネスが、今後どのようになっていくかを予測しているキーワードがあります。それが「ロジスティクス4.0」です。 今回は、中長期的な投資戦略のために必ず知っておきたいこのキーワードについて解説していきます。自動化&省人化をスピーディに決断へと導くヒントにしていただければと思います。 「ロジスティクス4.0」とは? 「ロジスティクス4.0」は、近代の物流におけるイノベーションの変遷を表したものです。その概念はすでに情報として知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、かんたんにご紹介していきましょう。まずは20世紀初頭に起こった輸送の機械化「ロジスティクス1.0」から、順に物流の変遷を追いかけます。 ◎20世紀初頭【ロジスティクス1.0】→輸送の機械化・トラックや鉄道による陸上輸送の高速化&大容量化・汽船&機船の普及による海上輸送の拡大 ◎1950~60年代【ロジスティクス2.0】→荷役の自動化・フォークリフトの普及、自動倉庫の実用化・海上輸送のコンテナ化による海陸一貫輸送の実現 ◎1980~90年代【ロジスティクス3.0】→管理・処理のシステム化・WMS(在庫管理システム)、TMS(輸配送管理システム)などの物流管理システムの導入&活用・NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)などによる各種手続処理の電子化 ◎2020年~【ロジスティクス4.0】→物流の装置産業化・倉庫ロボットや自動運転などの普及による省人化・サプライチェーン全体で物流機能がつながることでの標準化 ロジスティクス1.0~3.0については詳細な解説は専門書籍などが詳しく解説しているのでここでは省きます。注目すべきは、ロジスティクス4.0についてです。たとえば輸送面での「省人化」は、日本をはじめとして各国でドライバーが不足を背景に研究・開発が進んでいます。トラック輸送にかかる人件費コストを下げると、物流コスト全体が下がるため、実現すればインパクトは大きいと言えます。そのため世界のトラックメーカーはこぞって自動運転技術の開発に注力しているのです。また海上輸送の世界でも、世界的に船員が不足していることから、遠隔操縦での自動運航船も開発されています。さらに、大型輸送のその先、いわゆる配送のラストワンマイルを省人化する研究も進み、ドローンの活用や自走式ロボットの開発も実現可能なラインまであと少しというところです。 このように輸送に関しては、人不足とコストダウンというクリティカルな要素を抱えているため、先行して研究開発が進んでおり、近い将来、確実に自動化が進んでいくと言えそうです。 荷役分野&倉庫管理はすでに自動化&省人化が進んでいる! 輸送よりひと足早く、荷役分野や倉庫管理ではすでに省人化が進んでいる、というのは過去記事などでもご紹介しています。 ※関連記事・物流現場の人手不足を解消する「物流ロボット」の正体とは?・働き手不足の現場でピッキングロボットが走りまわっている!?物流業界に起きている現実 数年前から徐々に盛り上がってきていた物流ロボットの需要は、この1~2年のコロナ禍の中で急速に拡大し、合わせて実用面を満たしたロボットやソリューションの研究開発も進行。物流業界による「省人化」「省力化」への取り組みが、急ピッチで進行しているのです。 ただし、物流倉庫に関しては、すべての倉庫を同じようにとらえて自動化していくと、条件によってはデメリットがあることも課題として見えてきています。例えば、Amazonの倉庫などで使われている棚搬送ロボット(GTP)やオート倉庫は、一定条件を満たした大型物流倉庫だと費用対効果が高いのですが、規模の大きな投資を必要とするため、中小規模の倉庫だと費用対効果が低いと言われています。むしろこうした中小規模の倉庫では、既存のスタッフの作業効率を大幅にアップするための「協働ロボット」で、ピッキングプロセスを省人化する方が向いています。こちらであればマテハンもそのまま使えてもっとも現実的で、導入実績も増加傾向にあります。 物流ロボットに関しては、よりスムーズな倉庫導入をするためのノウハウ蓄積も始まっているのです。 ※関連記事・物流ロボットをどうやったら導入できるのか?社内検討編 ロジスティクス4.0で起こるのは「物流の装置産業化」と「脱労働集約」 ロジスティクス4.0で言われている「省人化」はすでに深く進行していると言えます。省人化と自動化が進むことによって、運ぶ、荷役する、梱包する、手配する…といった物流の基本オペレーションは、「人の介在をほとんど必要としないインフラ的機能」にトランフォームしていきます。これは人間が労働集約からの脱却を果たしていくこととなります。また物流がこうした「装置産業」となっていくと、これまで属人的だったノウハウは形式知化していき、機械やシステムに置き換わっていきます。物流がインフラ的な機能になることで、物流という枠組みは特定の企業や個人が占有するものではなく、広くシェアされる存在へと変貌することも、ロジスティクス4.0では示唆されています。物流が標準化され、属社的な仕組みが破壊されていくことはすでに遠い未来の話ではありません。物流会社にとっては、「ロジスティクス 4.0」は、積み上げた既存の ビジネスモデルに対する「破壊的脅威」であると同時に、今までにはない飛躍的な成長の土台となる、革新的なチャンスにもなるかもしれません。 「倉庫へのロボット導入」が4.0の世界への入り口 まさに動き始めているロジスティック4.0。社会インフラとなって人類の共通基盤になる…というのはもう少し先のことかもしれませんが、省人化の流れはすでに大きく動き出しています。その中で、自社倉庫での物流ロボット導入に向けて、まずは検討フェーズに入っている方も多いのではないかと思います。ただ、「どの技術がスタンダードになるか」「どの企業・製品が勝ち残るのか」「投資のタイミング」といった展望は、現時点では正確な予測が不可能です。そのため、まずは自社全体のビジョンをいったん見定めつつ、より中長期の視点で投資の検討を進めるべきです。 もうひとつ、仮に省人化に向けて投資を決めたとして、急激なスピードで現場を変化させるのは、既存の配送クオリティ維持という意味でも、倉庫全体にとてつもない負担をかけることになります。このあたりのスケール感とスピード感も考えねばなりません。 そんな中、近年注目されているのが、人とともに働く協働ロボット「AMR」の段階的導入です。まずは先々を見据えテストのための「先行投資」としても考えられることから、中小の倉庫での問い合わせが増加傾向です。現有のマテハンと人財をそのまま活用しながら、省人化、省力化をスムーズに進めていける、現時点での“折衷案”として、AMRはちょうどいいポジションにあると言ってもよいでしょう。 ※関連記事AMR導入事例:日本通運様・物流業界が「協働ロボット」で変わる!日本通運の現場に見る、物流ロボット導入のリアルAMR導入事例:佐川グローバルロジスティクス様・AMR導入後、短期間での生産性アップを実現!協働ロボットがもたらす、3PL倉庫の省人化&省力化 参考書籍ロジスティクス4.0 物流の創造的革新 (日経文庫)小野塚 征志 (著)…
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2020年5月4日 プレスリリース 報道関係各位 ロボティクスプラットフォームを提供する、Rapyuta Robotics株式会社(東京都中央区、 代表取締役 CEO:Gajan Mohanarajah、以下「ラピュタロボティクス」)と物流自動化ロボットサービス(RaaS:Robotics as a Service)を提供するプラスオートメーション株式会社(本社所在地: 東京都港区、代表取締役社長: 飯間 卓、以下「+A」)は、日本通運株式会社(東京都港区、代表取締役社長:齋藤充、以下「日本通運」)向けに、物流倉庫向け協働型ピッキングアシスタントロボット(AMR)のサブスクリプションサービスを日本で初めて商用化しました。  この結果、日本通運は初期投資額を抑制し、毎月のロボットサービス使用料・メンテナンス料等をすべて含む月額定額料金で、AMRを使用することが可能となります。 【これまでの経緯と今後】 ラピュタロボティクスと日本通運はこれまで、実証実験を通じてロボティクスソリューションのインテグレーション及び開発を加速させるクラウド・ロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」を介しラピュタロボティクス製AMRを連携させ、倉庫の作業員と協働しピッキング作業の効率化、作業者の負荷軽減を図ることを目的に検証を行ってきました。その結果、AMRが十分な信頼性と品質を備えていることを確認したことから、日本通運が運営している平和島のセンター向けに、AMRを提供することになりました。加えてラピュタロボティクスと+Aのパートナーシップに基づき、より柔軟で機動力のある+Aの新たなサブスクリプションサービスを活用することとなりました。これにより、日本通運は変化の激しい物流量、倉庫立地、オペレーション設計等に対して、柔軟な対応策を構築することが可能となり、今後複数拠点への展開も計画しています。 コロナ禍により、全世界的に先行き不安が高まる昨今、ロボティクスに対する社会的な期待が高まっていますが、ラピュタロボティクスと+Aは高い品質と信頼性が求められる日本の物流現場で活用できるソリューションを提供して参ります。 日本通運株式会社 ロジスティクス開発部部長 板持 直樹様からのコメント: 「AMRは、「小物」「多品種」「少量」という要素を抱る日本の物流現場にフィットするソリューションです。このプロジェクトには40~50名が関わっています。1年半の長きにわたり、メンバー間では様々な意見をぶつけ合い、ようやく実運用までたどりつく事ができました。この場を借りて御礼申し上げます。物流センターのオペレーションをより高度化していくためには更なるイノベーションが必要です。今後は「rapyuta io」を活用しながら、次世代物流センターの構築に共に取り組んでいきたいと考えています。」 【協働型ピッキングロボット(AMR)の概要】 物流倉庫向けロボティクスソリューションは、その大半が大規模な導入工事や環境構築を必要としますが、AMRは既存の棚、人を活かした形で導入が可能です。また、ロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」との連携により棚のレイアウト変更や扱う商材の変化に対する柔軟性と、需要の増大に対する拡張性が提供されることも物流事業者様にメリットとなります。 Rapyuta Robotics株式会社について Rapyuta Robotics株式会社は、アインシュタインを始め数々の著名研究者を輩出しているチューリッヒ工科大学(ETH Zürich)からスピンオフした大学発ベンチャーです。「ロボットを便利で身近に」をビジョンに掲げ、世界でも最先端の制御技術及び人工知能技術を活用した次世代クラウドロボティクス・プラットフォーム「 rapyuta.io」の開発を行っています。rapyuta.ioを活用することで、多種多様な複数ロボットの中央管理・中央制御が、直感的かつ容易にできます。また、rapyuta.ioにより、システム構成要素を一から作り上げる必要は無くなり、ユーザーが得意とする技術分野の開発に集中できます。 日本に本社を置き、主に大手事業会社様にロボットを活用した自動化ソリューションの提供を行っています。 プラスオートメーション株式会社について プラスオートメーションは、国内有数の物流子会社を有し、海外を含めたロボット調達に幅広いネットワークを有する三井物産株式会社と先進的物流施設のリーディングプロバイダーである日本GLP 株式会社の出資を受け、2019年6月に設立されました。  「テクノロジーで次代の物流を共に創る」をコンセプトに、物流自動化サービスを皮切りに新たな物流サービスを提供して参ります。  本リリースに関するお問い合わせ先: お問い合わせは、以下のアドレスまで電子メールにてお願い申し上げます。 日本通運株式会社 広報部 担当:神・福田 e-mail:ko_ho@nittsu.co.jp プラスオートメーション株式会社 担当:山田 e-mail : info@plus-automation.com Rapyuta Robotics株式会社 info@rapyuta-robotics.com  ¹IDC…
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